なるほどね。

北海道民独身男性の日常

仏教の言葉に、生老病死というのがある。

生きる、老いる、病む、死ぬその全てが苦しみなのだそうだ。

なんとも悲観的な考え方だと思う。

とはいえ、やはり病は苦しいものだ。

 

出張先の大阪で胃潰瘍にかかり入院した。

10月7日に入院して、早くも6日目だ。

16日に退院できる目処も立った。

この辺で入院の経緯を振り返ってみたいと思う。

 

初めに症状が現れたのは6日金曜日だった。

取引先との会議がひと段落ついた頃、腹痛に襲われた。

胃もたれ程度だったものがあっという間に吐き気を伴った。

取引先の車で近所の病院に運ばれ診察を受けた。

CT検査などを受け、医者は腸炎だと診断。

吐き気止めと整腸剤を出され帰された。

しかし、病院にいる間も病状は悪化の一途だった。

発熱し、悪寒で全身が震えた。

手足は氷のように冷たくなっていた。

吐き気はどんどん増していき、嘔吐が続いた。

 

ホテルまで送っていただき、薬を飲んでしばらく様子を見たが、改善の兆しすらない。

やがて身動きをとることすら難しくなり、僕は決断した。

もう、救急車を呼ぶ以外に手は無い。

しかし場所がホテルだったので、まずはフロントに電話をした。

フロントの方はすぐ駆けつけて下さり、救急車もすぐに手配して頂いた。

僕はホテルの方が用意してくださった毛布を握りしめて、うずくまりながら救急車を待った。

かなりの時間待ったように感じたが、実際には5分くらいしか待っていなかったと思う。

救急隊が駆けつけ、担架で救急車まで運んでいただいた。

病院はなかなか受け入れ先が見つからず、3軒くらい当たってやっと見つかった。

搬送には10分位かかると言われたが、もっと早かったと思う。

 

救急センターに運ばれ、医師に症状が伝えられる。

やはりCT検査が行われたが、異常は見当たらないらしい。

点滴が刺され、痛み止めを何度も投与されたものの、苦痛は一向に治らない。

救急センター的には急を要しないとして帰らせたかったようだが、痛みがひどくて起き上がるのも難しい。

結局19時頃に搬送されて、救急センターを出たのは朝の6時半だった。

それでも苦痛は続いており、受付開始の8時までベッドを借りられないか交渉したが受け入れられなかった。

もっと大変な患者さんが運ばれてくる場所なので仕方がなかったのだろう。

 

結局僕は路頭に迷い、お爺さんのような姿勢でフラフラと自動精算機まで行き、その後まだ空いていない受付に向かった。

まだ吐き気もあり、胃は鷲掴みにされているように痛んだが、受付前のソファーでひたすら耐えた。

8時に受付が空き、診察は9時開始だという。

僕は車椅子に乗せられ、2階に運ばれた。

その時、取引先の方が連絡を受けて駆けつけてくださった。

その後の付き添いやホテルの荷物引き揚げ等色々とやって頂き、本当に有り難かった。

僕は採血され、胃カメラを飲んだ。

胃カメラは以前一度やったことがあったのだが、今回は地獄のようだった。

ただでさえ吐き気がするところに胃カメラを突っ込まれたのだから当然だろう。

しかも、今回は胃の組織を切って取り出す検査も行ったので苦痛が一層増えていた。

そんな生き地獄を前の晩から散々味わった末、告げられた診断結果は胃潰瘍だった。

見せてもらった胃カメラの写真は、クレーターのような潰瘍がたくさん写っていて見るだけで痛みが増した。

そうして僕は、その病院に入院することになったのだった。

 

入院は初めてではないのでそれほど不安は無かった。

初日は取引先の方も付いて下さったし、神戸の知人も3連休の間ずっと面会に来てくれた。

病院の設備も整っていたし、看護師さんたちスタッフも皆さん親切にしていただいた。

不安だったのは残して来た仕事のことと、今後会社に戻るに当たっての諸々だった。

上司は心配しないで休むよう言って下さったが、実際職場には相当の負担をかけてしまったようだ。

退院しても長いスパンで食事等の制約があるようで、本格復帰はかなり先になる。

しかしこればかりは個人でどうこう出来る事ではない。

過去にも、重病で長く休んでいた方を見たこともある。

今はもう、なるようになると開き直ることにした。

 

4日ほどの絶食を経て流動食が始まり、今では柔らかく調理された病院食を食べられるようになった。

点滴からも尿瓶からも解放され、自由にシャワーを浴びられるようになった。

まだ痛むためそれほど動けないが、シャワーと売店の買い出しは出来る限り続けるようにしている。

少しずつ、しかし着実に治って来ていることに、今は毎日喜びを噛み締めている。

今後も復帰に際して色々あるとは思うが、気楽に焦らず対応していきたい。

 

最後になりますが、ツイッターなどで温かい言葉を頂いた皆様に、心から感謝を申し上げます。

本当にありがとうございます。

今後とも、引き続きよろしくお願いいたします。